日本・アイルランド社会保障協定
日本とアイルランドとの社会保障協定について
2010(平成22)年12月1日に「日・アイルランド社会保障協定」が発効されました。このことにより、日本とアイルランドの社会保障制度の二重加入が解消されるのと併せて、年金保険料の掛け捨てが防止されます。
二重加入の防止
日本の事業所に勤務する被保険者がアイルランドにある支店などに派遣される場合、協定の締結前は、両国の制度への強制加入に関する法令が二重に適用される問題、および、短期間の派遣では就労地国の年金を受給する権利を取得するために必要な期間の要件を満たさないことから保険料が掛け捨てとなる問題が生じていました。
協定の締結後は、いずれか一方の制度のみに加入することになりました。
日本からアイルランドへ派遣される場合、原則的にはアイルランドの社会保障制度に加入しますが、アイルランドへの派遣期間が5年以内と見込まれる場合は、一定の条件をもとに、アイルランドの社会保障制度への加入が免除され、引き続き日本の社会保障制度に加入することになります。
年金加入期間の通算について
日本の年金を受給するためには、原則として25年以上の年金加入期間を必要とします。
社会保障協定発効後は、アイルランドの年金制度に加入していた期間をこの年金加入期間として通算することができるようになりました。
基本的な考え方
年金を受けるためには、一定の期間年金制度に加入して年金保険料を納めなければならないという期間要件が日本・アイルランド両国ともに定められています。ところが、いずれかの国の年金制度に一時的に加入した場合などは、加入期間が短いために年金を受けられず、納めた年金保険料が掛け捨てになってしまうことがありました。
しかしながら、協定により、日本とアイルランドの年金加入期間を相互に通算することで、年金受給権を獲得できるようになりました。
年金加入期間の通算とは、両国の年金加入期間をまとめて一方の国から年金を受けるという仕組みではなく、それぞれの国で年金受給権を得るための期間要件を判断する場合に相手国の年金加入期間を通算するという仕組みです。したがって、年金を受けるときには、日本・アイルランド両国の年金制度に加入した期間に応じた年金を、それぞれの国から受けることになります。
なお、日本・アイルランド両国の年金制度に二重加入していた期間は二重に通算されることはありません。
アイルランド年金加入期間要件への日本期間の通算方法
少なくとも52週のアイルランド法令による保険期間がある人について、アイルランドの保険期間のみでは給付を受ける権利を確立できない場合に日本の保険期間を通算することができます。
日本の保険期間をアイルランドの保険期間に算入する場合には、日本の1ヶ月の保険期間をアイルランドの4.33週として換算されます。ただし、1年における保険期間の週の合計は、52週を超えないものとされます。
アイルランド年金の消滅時効
アイルランドの年金は、受給権発生の3ヶ月前(通算による場合は6カ月前から)から請求手続きを行うことができます。
請求要件が満たされた月の3ヶ月以内に請求をした場合、その要件が満たされた月分から支給が開始されますが、12カ月以上遅れて請求した場合、受給権が無くなります。
日本でのアイルランドの年金の受給
受給手続きは、最寄りの年金事務所で申請します。申請書類はこちらでダウンロードないし年金事務所の窓口で入手可能です。
アイルランド年金の受取方法
アイルランド年金は、受給者が指定した銀行口座へ日本円で支給されます。
※参考資料:パンフレット
日本の年金給付に関して
日本の年金加入期間の短いアイルランド在住者が日本の老齢年金を請求する方法は次の2つあります。
- 合算対象期間による方法
- 平成22(2010)年12月発効した日本・アイルランド社会保障協定による日本・アイルランド年金加入期間を通算する方法
※アイルランドの保険期間を日本の保険期間に算入する場合には、アイルランドの4.33週を日本の1ヶ月の保険期間として換算されます。当該割り当てられた月数の合計は、一年について12を超えないものとされます。
尚、日本の年金についての情報は、☞こちらのホームページを参照下さい。
日本・アイルランド社会保障協定の申請書一覧
アイルランドの年金請求者のための申請書
申請内容 | 申請書の名称 | 注意事項 | |
---|---|---|---|
老齢年金・障害年金・遺族年金の請求 | アイルランドの年金請求書(J/IRL1) | 老齢年金については、受給権発生の3ヶ月前(通算による場合は、6ヶ月前)からの請求手続きが可能(平成22年12月1日以降、請求受付ができます) | |
アイルランド在住者の日本年金加入期間確認 | 日本の保険期間確認請求書(IRL/J3) | アイルランド国内の年金の申請書に添付すること |
日本の年金請求者のための申請書
申請内容 | 申請書の名称 | 注意事項 | |
---|---|---|---|
アイルランドに在住している人の、日本の老齢・障害年金の裁定請求 | 国民年金・厚生年金保険裁定請求書(老齢、障害を支給事由とする年金給付)(IRL/J1) | 受給権発生後に申請すること 年金事務所にて手続きが必要 | |
記入要領 | |||
アイルランドに在住している人の、日本の遺族年金の裁定請求 | 国民年金・厚生年金保険裁定請求書(死亡を支給事由とする年金給付)(IRL/J2) | 受給権発生後に申請すること 年金事務所にて手続きが必要 | |
記入要領 | |||
日本在住している人の、アイルランド年金制度の加入期間を通算した日本年金請求 | アイルランド社会保障法令に基づく期間等の申立書 | 日本年金の裁定請求書に添付すること | |
アイルランド在住の日本年金の受給者が、年金に関する各種の届出 | 海外在住年金受給権者の届出事項連絡票 | アイルランド以外の海外在住者は、使用できません |
アイルランド年金に関する主な特例
アイルランド年金加入期間要件への日本期間の通算方法
少なくとも52週のアイルランド法令による保険期間がある人について、アイルランドの保険期間のみでは給付を受ける権利を確立できない場合に日本の保険期間を通算することができます。
日本の保険期間をアイルランドの保険期間に算入する場合には、日本の1ヶ月の保険期間をアイルランドの4.33週として換算されます。ただし、1年における保険期間の週の合計は、52週を超えないものとされます。
協定に基づくアイルランド年金額の計算の特例
協定に基づきアイルランドの年金額を計算する場合には、日本の保険期間をアイルランドの保険期間とみなして計算を行い、その算定額をアイルランドの保険期間と比例按分します。
アイルランド年金の消滅時効
アイルランドの年金は、受給権発生の3ヶ月前(通算による場合は6カ月前から)から請求手続きを行うことができます。
請求要件が満たされた月の3ヶ月以内に請求をした場合、その要件が満たされた月分から支給が開始されますが、12カ月以上遅れて請求した場合、受給権が無くなります。
アイルランド年金の受取方法
アイルランド年金は、受給者が指定した銀行口座へ日本円で支給されます。
アイルランド年金制度の保険期間の日本の年金制度への通算方法
アイルランドの保険期間を日本の保険期間に算入する場合には、アイルランドの4.33週を日本の1ヶ月の保険期間として換算されます。
当該割り当てられた月数の合計は、一年について12を超えないものとされます。
※日本年金機構HPより抜粋、引用